資格を持った防水工事業者に依頼しよう!
防水工事は、実は特に資格がなくても行うことが可能です。でも、できれば資格がある業者に依頼した方が安心ですね。
ここでは、防水工事に関するスキルの高さを証明する資格や防水工事業を行うために必要な許可について詳しく解説します。また、雨漏り修理・屋根修理に関連する資格もご紹介します。
防水工事のスキルを証明できる「防水施工技能士」とは
防水工事を行う技術者を「防水工」と言い、そのスキルの高さを証明できる資格が「防水施工技能士」です。この資格を取得することで、各工法における高い技術力と実務経験を証明できます。
防水施工技能士は、都道府県職業能力開発協会と中央職業能力開発協会が実施する試験に合格すると得られる国家資格です。ウレタン防水やアスファルト防水など工法ごとに資格が認定され、合格率は40~60%。「防水施工技能士」の資格を持っている業者に依頼すると安心ですね。
防水工事業に必要な建設業許可とは
防水工として働くために資格は必要ありませんが、防水工事業を行うためには建設業許可が必須です。
建設業許可には「特定」と「一般」の2種類があり、下請契約の金額で分けられています。
- 特定
- 発注者から直接請け負った1件の工事代金について、4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)以上となる下請契約を締結する場合
- 一般
- 上記以外出典:国土交通省
防水工事は資格を持っている業者に頼むのが◎
防水工事業を営むには建設業許可が必要ですが、防水工事を行う防水工には資格は必ずしも必要なものではありません。
ですが、資格を持っているということは経験や高い技術力の証明となるため、有資格者のいる業者へ依頼すると安心ですね。特に防水施工技能士は学科・実技試験だけでなく、実務経験の年数が取得要件の一つになっているため、より信頼できます。
【関連資格】
雨漏り修理・屋根修理に関連ある資格をご紹介
防水工事の関連資格には「防水施工技能士」がありますが、雨漏り修理と屋根修理の関連資格としては以下のような資格があります。
- 建築板金基幹技能者
- 社団法人日本建築板金協会が認定している資格。屋根や外装を中心とした施工に携わり、技能者として現場での中心的な役割を担うことができる。建築板金工にとって最高ランクの資格。建築板金工事の施工経験が10年以上(うち3年以上の職長経験)あり、かつ協会が指定した5つの資格を持つことが要件。
- 雨漏り診断士
- 「雨漏りトラブル皆無の社会」を目標とする特定非営利活動法人(NPO法人)雨漏り診断士協会が認定している資格。雨漏りに関して一定の知識があることを証明できる。建物の基礎知識、雨仕舞いと防水・塗装の基礎知識、雨漏り診断の基礎知識・実例・実務に関する試験が行われる。
- 一級建築板金技能士・二級建築板金技能士
- 都道府県職業能力開発協会が認定する国家資格。住宅をはじめ、建築物にかかる板金工事のスペシャリストであることを証明できる。学科試験と実技試験があり、実技試験では実際に雨樋などの製品を製作したり、ダクトに取り付けを行ったりする。
- 屋根外装調査士
- 全日本鈑金工業組合連合会と社団法人日本建築板金協会が認定している資格。建築板金基幹技能者の資格試験合格者が認定される。屋根や外壁に関する豊富な知識と技能がある、優秀なアドバイザーである証明となる。
【参考】防水施工技能士資格の詳細
- 資格名
- 防水施工技能士
- 主務官庁
- 厚生労働省
- 試験期間
- 各都道府県の職業能力開発協会
- 資格種別
- 1級と2級の2種類。1級が上級、2級が中級と位置付けられる。
以下の9種類の工法ごとに資格が認定される- ①ウレタンゴム系塗膜防水工事
- ②アクリルゴム系塗膜防水工事
- ③セメント系防水工事
- ④シーリング防水工事
- ⑤FRP防水工事
- ⑥アスファルト防水工事
- ⑦合成ゴム系シート防水工事
- ⑧塩化ビニル系シート防水工事
- ⑨改質アスファルトシートトーチ工法防水工事
- 受検資格
- 1級:7年以上の実務経験
2級:2年以上の実務経験 - 試験時期
- ①~⑤、⑨:【学科】9月上旬、【実技】6月上旬~9月上旬
⑥~⑧:【学科】1月下旬、【実技】12月上旬~2月中旬 - 受検料
- 県によって異なるが、一般的に【学科】3,100円、【実技】16,500円
- 申込方法
- 受検料とともに、受検申請書を職業能力開発協会に提出する。
申請書の配布方法・時期は各都道府県の職業能力開発協会HPで発表される。
【参考】建設業許可の詳細
- 管轄官庁
- 国土交通省
- 許可の取得先
- 【国土交通大臣】2都道府県以上の区域内に営業所を設ける場合
※本店の所在地を所管する地方整備局長等が許可を行う
【都道府県知事】1都道府県の区域内のみに営業所を設ける場合 - 許可要件
-
- ①経営業務の管理責任者がいること
- 経営業務の管理責任者になるには、法人の場合は「常勤役員のうち1人」が、個人事業主の場合は「本人もしくは支配人の1人」が、指定された条件を満たす必要がある
- ②営業所ごとに専任技術者を配置すること
- 「一級建築施工管理技士」「二級建築施工管理技士(仕上げ)」「防水施工」いずれかの国家資格を持つもの、もしくは防水工事につき10年以上の実務経験を有するものが専任技術者になれる
- ③財産的基礎を有すること
- 一般と特定で要件が異なる。
【一般】「自己資本が500万円以上あること」など
【特定】「資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること」など - ④欠格要件に該当しないこと
- 審査期間
- 【国土交通大臣】およそ2~3か月
【都道府県知事】およそ1か月 - 手数料
- 【国土交通大臣】一般もしくは特定のみ…15万円
【都道府県知事】一般もしくは特定のみ…9万円
※一般と特定の両方を申請する場合には、それぞれ倍額となる
※都道府県知事許可の場合、都道府県によって金額が異なる場合がある - 有効期限
- 5年間(5年ごとに更新が必要)
- 注意事項
- 個人から法人に変わるときは、再度申請が必要