防水工事の耐用年数ってどれくらい?
防水工事は工事の種類や工法によって耐用年数や定期メンテナンスの時期が異なります。
ここでは防水工事の種類・工法別の耐用年数一覧や定期メンテナンス時期一覧を掲載しました。
またどんな症状がでたらメンテナンスが必要なのか、自分でできる防水効果を長持ちさせるコツについてもまとめています。
防水工事の種類別耐用年数一覧
防水工事は、行う内容や工法によって耐用年数が異なります。主な4種類の防水工事における一般的な耐用年数は、以下の通りです。
種類 | 工法 | 耐用年数 |
---|---|---|
ウレタン防水 | 密着工法 | 5~10年程度 |
通気緩衝工法 | 10~15年程度 | ゴムシート防水 | 接着工法(密着工法) | 10~12年程度 |
機械的固定工法(絶縁工法) | 12~15年程度 | 塩ビシート防水 | 接着工法(密着工法) | 10~12年程度 |
機械的固定工法(絶縁工法) | 15~20年程度 | アスファルト防水 | 熱工法 | 15~25年程度 |
トーチ工法 | 15~20年程度 | FRP防水 | ー | 10~15年程度 |
どの防水工事でも、太陽による紫外線や天候、周辺環境などによって、耐用年数は変動します。耐用年数いっぱいまで放置せず、防水層に変化が現れたらメンテナンスや再度の防水工事を検討しましょう。
防水工事の種類別定期メンテナンス時期一覧
防水工事は、種類によって耐用年数内にメンテナンスが必要になるものがあります。防水の効果を維持するために、きちんとメンテナンスを行うようにしましょう。
主な防水工事別の定期メンテナンス時期は以下の通りです。
種類 | 工法 | 定期点検・メンテナンス時期 |
---|---|---|
ウレタン防水 | 密着工法 | 5~8年ごと |
通気緩衝工法 | 5~10年ごと | |
ゴムシート防水 | 工法問わず | 5~8年ごと |
塩ビシート防水 | 接着工法(密着工法) | 10年以上メンテナンスフリー |
機械的固定工法(絶縁工法) | 15年以上メンテナンスフリー | |
アスファルト防水 | 熱工法 | 10~13年ごと |
トーチ工法 | 5~8年ごと | |
FRP防水 | ー | 5年ごと |
定期的なメンテナンス時期は上記の通りですが、環境や状況によって劣化のスピードは異なります。日頃から確認できる場所であればまめにチェックしておき、5年ごとを目安に工務店などに点検・診断を依頼すると安心です。
防水工事は雨漏り前にやろう!
メンテナンスが必要な症状まとめ
何の手入れもせず防水工事を放置しておくと、耐用年数までもたずに雨漏りや破損してしまう危険性があります。
以下のような症状を見つけたら、雨漏りする前にメンテナンスを行いましょう。これらの症状は、防水工事の種類を問わず共通しています。
- トップコートの膨らみ、ひび割れ、剥がれ
- トップコートとは、防水層を保護するためのコーティングのことです。経年劣化や紫外線によって傷み、防水層との接着力が弱まると、膨らみやひび割れ、剥がれなどが起こります。なお、トップコートはこれらの症状が出ていなくても、5年ごとに塗り替えを行うことがベストです。
- 水たまり
- 水たまりは塗膜の一部が剥がれているか、水を流す勾配がなくなっていると考えられます。防水層は水を溜める仕様にはなっていないため、劣化が進行しやすくなります。
- 表面の色褪せ
- 紫外線によって表面が焼けることで、色が褪せてきます。これはひび割れや剥がれなど劣化の始まるサインです。
- チョーキング
- 防水層の表面を触って白っぽい粉が付く「チョーキング」は、トップコートが傷んで粉状になっている状態です。これも、劣化の始まりです。
- 植物の生育
- 植物の根はコンクリートを貫通します。そのため、植物が繁殖しているということは、防水層だけでなく建物自体の劣化を進める原因となります。
防水を長持ちさせるコツ
防水層を長持ちさせるためには、日々のちょっとしたメンテナンスがとても重要です。簡単にできるコツをご紹介しますので、ぜひ実践してください。
- ①防水層表面の掃除
- 表面にゴミや埃が積もると水が溜まりやすくなり、防水層の劣化を進めてしまいます。きちんと水が流れるように、定期的に掃除しましょう。
- ②排水溝(ドレン)の掃除
- 3か月に1度程度、排水溝周りにある落ち葉やゴミを掃除します。排水溝がつまると水たまりができてしまい、雨漏りのリスクが高まります。また砂が溜まると植物が生えやすくなります。
- ③なるべく物を置かない
- 植木鉢や椅子など、物を置いたり引きずったりすると防水層が傷みます。できるだけ物を置かないことで、防水層が長持ちします。
- ④物を置く場合にはゴムシートやベランダタイルを敷く
- 物置やエアコンの室外機など、重いものを置く場合にはゴムシートを敷くと防水層の表面を保護できます。また、防水層を傷つけないベランダタイルを敷くことも、紫外線から守ることができてとても有効です。
- ⑤定期的に点検・診断を受ける
- 気になる部分がなくても、定期的に防水層の定期点検を受け、トップコートの塗り替えなどを検討しましょう。